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プロンテラの精算広場では、臨時公平狩りから帰ってきたプレイヤーが
戦利品を均等に分配する為、そちこちに精算チャットがたてられている。
考えてみれば、僕はこのサーバーに来てからというもの、
一度も臨時公平狩りをしたことがない。
延々、陽の差さない地下洞窟でソロ狩りというのは、いかにも僕らしいが、
 
 


一度や二度は複数人で狩りをするのも悪くないと考え、
臨公チャットに初参加したのである。
 
 
 

行き先はグラスムヘイム城になったのであるが、
 
 
 

やはりこういう狩りは肌にあわなかったのか、
開始後10分で息が詰まりそうになった。
早く、暗くジメジメした地下洞窟に帰りたいと思いました。
そうはいっても、折角自主的に参加したのであるし、我慢した。
 
 
 

パーティ内にいるクルセイダーは僕に対抗意識を燃やしているのか、
モンスターが落とす戦利品を我先にとろうと必死の形相になっており、
僕に拾わせようとしない。
恐らく、僕に拾われた戦利品は二度と返ってこないと思っているのだろう。
その通りである。
 
 
 

一時間程狩りをし、狩りに飽きたであろうPTメンバーが
遠回しに「もう帰ろうよ」といった意味の発言をし、
一同はプロンテラに帰還した。朝の4時頃でした。
 
 
 
 
僕は、「OC10スキル持ち商人を持っているから戦利品は全て僕に預けよ」
と嘯いて、戦利品を騙し取ろうと企てていたのであるが、それを察知してか、
プロンテラに着くやいなや、パーティメンバーのクトゥグアがいの一番に
戦利品は自分のBSに預けてください、などと発言しテンパイに戦利品を預けるなど
言語道断の雰囲気を作り出してしまった。
 
 
 
 
こうなってしまっては、詐欺る隙が見つからず、
メンバーは次々とBSに戦利品を渡している。
 
 
 


しかし、僕は戦利品を均等に分配するという行為に虫唾が走るし、
虫唾が走るくらいなら渡したくないと考え、
戦利品は既にクルセイダーに渡していると嘘をつき、渡したことにした。
 
 

とはいえ、たったこれだけの戦利品を着服したところで、
虚しさが募るだけであった。
 
 
 
 
 
 

もっと効率の出る稼ぎ方はないものかと、再びプロンテラの臨公広場に赴き、
過去にこんなチャットが出ていたことを思い出した。
これは、狩りの効率を上げる為に金を払って人を雇うというものであり、
このモンクさんは時給350kzenyも支払うそうだ。
効率が上がって雇い主はハッピー、雇われ人も金が貰えてハッピー、
誰も不幸にならない誰も悲しまない。そう、Give&Take。
 
 
 

彼に倣って、僕も同じようなチャットを出し、募集をした。
ただ、注意すべき点はチャットタイトルの意味で、
「僕はアスペルシオ持ちのプリーストを求めていて、
もしそんなプリーストが手伝ってくれたら時給500kもの経験値が出るよなぁ。」
という詠嘆の意を表したチャットである。
従って、金は出ない。そう、Take&Take。
 
 
 
 

ところが、心の優しい人はいるもので
手伝ってくれるプリーストが現れた。
 
 
 
 
 
僕らは、狩り場へ向かい、
 
 
 

狩りを開始。アスペルシオがあると違うもんですね。効率が。
 
 
 
 
おや、プリーストが一時間働いたことを強調している。
もう一時間か。そろそろ帰ろうか。僕も疲れたので。
 
 

お疲れ様でした。
 
 
 


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