・2007/09/01 (RO2)


 
 
 
 
 

オープンベータが始まったようだ。
RO2の世界に繰り出すとしよう。
チュートリアル要員の話を無視し、出口方面へ進む。







外に出ると、多くのプレイヤー達でごったがえしていた。
クエストを受けながら、装備を揃え、レベルを上げるという
やり方が一般的なようだが、同時に受けられるクエストは
一つまでと限定されており、非常に面倒な印象を受けた。







用意されているクエスト群を無視し、
そこらのモンスターを倒しながら、
なにか効果的に装備品を集める方法はないかと考える。
一分後、考えが纏まった。








「プレイヤーから装備品を騙し取るとしよう」
今回の手口は、単純なものなので、概要は説明しない。
読んでいけばわかるだろう。







準備段階として、まずは、プレイ前から会う約束をしていた
エルンというプレイヤーと合流した。
僕が今回の計画を持ちかけたところ、
「面白そう」と割と乗り気だった。
今回の計画は1人でやるより、
2人でやるほうが成功率は高いと踏んでいるのだが、









果たして、エルンは共犯という重みに耐えられるだろうか。
今まで、一度も人をだましたことがない人間にとっては、
今回のやり方はかなりこたえるものとなるかもしれないが、
それはそれでしょうがない。向かなかったということだ。


早速、実行に移そう。まずは、服装だ。
人を騙すには、騙す相手を信用させなければお話にならない。


たとえば、ペラペラの初期服を着た貧相なプレイヤーが他人に
美味い話をもちかけたところで、いったい誰が信じようか。
世の中、そんなに甘くないってことだ。


逆に、それなりの身なりをしたプレイヤーがもちかけたとしたらどうか。
「この人は、RO2のことをよく知ってそう」
そういうふうに思わせることができれば、しめたものだ。
相手は完全に受け身状態になる。





そんなわわけで、僕は、マント、服、棒を装着し、
初期の身なりよりは、いくぶんましになった。


目立つ装備をしているプレイヤーに片っ端から声をかけ、
「一緒に狩りをしたいからパーティに入らないか?」
と誘う。この「てるよ」という人物は警戒心からか、
パーティには入らなかったな。










10分後、カナペイというプレイヤーをパーティに引き込むことができた。
今回の犠牲者は「カナペイ」だ。






僕、エルン、カナペイの3人パーティで、
しばらく狩りを続けた。


ヒールをカナペイにかけつづけ、
死なせないようにすることで、快適な狩りを
してもらうことを忘れてはならない。
途中でパーティを抜けられたら困るからな。


狩りをしつつも、
カナペイを人気のないフィールドを誘導した。




ここで、僕とエルンは一芝居うってでたわけである。

説明しよう、エンチャンティングとは、単一の武器・防具に対する基本性能を
底上げすることができる非常に役立つスキルを指す。
無論、現状のRO2にそんなスキルは存在しない。完全にでっちあげだ。
だが、そこをうまく信じ込ませるのが詐欺師の腕の見せどころってもんだろ。





ログを読んでもわかるとおり、
あたかもエンチャンティングというスキルが実在するかのように
我々が演技しているのがお分かり頂けるだろうか?
このやり取りに、カナペイ、驚きを隠しきれない様子だ。






カナペイが嘘スキル、エンチャンティングに興味を示している時に、
上の台詞を吐けばいっちょあがりだ。





こっちのペースに引き込んじまえば、
相手の行動が手に取るように予測できる。







しけてやがる







この時点で、エルン、
良心の呵責に耐え切れず、
パーティ脱退し、ログアウト。
やはり、無理だったか。













 → 
どうやら、クエストで貰う防具は取引不可能らしいな。
鎧も頂くつもりが、グローブだけというしけた結果になっちまった。
次の手口を考えるとしようか。

次へ